映画版 聖☆おにいさんは小学生視点のエピソードが退屈で寝る

映画版 聖☆おにいさんは小学生視点のエピソードが退屈で寝る

月刊『モーニング・ツー』で連載中の『聖☆おにいさん』が映画化したというで、原作ファンの私は早朝5時に起床し朝一の回を鑑賞という気合の入りっぷり。しかし感想を一言で表すなら、

だから漫画のアニメ化には期待すんなって言っただろ

だった。

聖人イエスとブッダが東京・立川で過ごす日常を描いた中村光の人気ギャグ漫画をアニメーション映画化。世紀末も無事に超えることができたブッダとイエスは、バカンスとして下界に降臨。立川のアパートで共同生活を送っていた。素性がばれないようにと注意しながらも、事あるごとに小さな奇跡を起こしてしまう日々。それでも2人の人間味あふれる行いに、人々の間に心地よいつながりが芽生えていく。

漫画アニメ化の難しさ

漫画がアニメ化される度にいつも思うが、何が難しいかって、漫画はみんな自分の想像力をプラスして読んでいるってこと。特に私の場合、キャラが吐くセリフのスピードやトーン、間。 

コマからコマへ目を移すスピードも自分の好きなように読んでいる。アニメ化すると、その自分の好きな「間」をアニメ作家や声優に埋められるのが違和感に通じる。バッチリはまるならいいけれど、合わなかったときはその違和感が最後まで続く。これ、結構辛い。

今回、私が最も感じた違和感はナレーション。

セリフが遅い。もっとスッと言ってくれないと。せっかくのギャグが妙にしらけてしまう瞬間がいくつかあった。

声優について

森山未來さんと星野源さんが演じたことで話題を集めたが、個人的には森山未來さんのイエスはちょっと声が低すぎる。しかし、

「(自分の)こだわりが強いシーンでは何度テイクを重ねても自らの演技を一切変えない」

というほど情熱を持って演じたそうで、見ているうちに「確かにイエスはこんな声かもな」というイメージが作られた。ブッダは特に違和感なし。

とてつもなく退屈な小学生視点からのエピソード

物語はほぼ原作のエピソードが使われているが、もちろんところどころ映画オリジナルシーンもある。その代表的なものが、見出しの「小学生視点からのエピソード」。これを語る前にまずは以下を見ていただこうか。

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聖☆おにいさん 第1話「ブッダの休日」 by 中村光 is licensed under a Creative Commons 表示 – 改変禁止 2.1 日本 License.

見せたかったのは4コマ目だけなのだが、規約上抜粋ができないのですべて転載した。この、4コマ目に出てくる近所の小学生たちが主役(?)になり「ボタン星人をやっつけるために頑張る」というエピソードが用意されている。「だいちゃん」というガキがブッダの額を狙って輪ゴム鉄砲を開発したり、仲間と連携して縁日の日に待ちぶせしたり。

これがもう退屈ったらありゃしない。

感情移入もできなければ、大した盛り上がりもない。イエスとブッダのやり取り(ギャグ)も子どもたちが会話する背景で行われるような演出でBGM化しているし、かといって主役の悪ガキ共が面白いことをするわけでもないし……。なによりこのエピソードがそこそこ長い。

早く終われよと思っていたのは私だけでないはず。

嬉しい特典付き

というわけで正直なところ映画にはそれほど満足できなかったが、特典でもらえる『神話』はGOOD。イエスとブッダが地上に降臨する前夜、大家の松田さんから「印鑑登録証明書を用意しろ」と言われた件について真剣に悩むエピソードが書き下ろされている。先程紹介した森山未來さんのエピソード等もこの特典に収録されてた。

映画版 聖☆おにいさん 特典
映画版 聖☆おにいさん 特典

映画よりこっちの方が面白かったかも。やっぱり原作には勝てない、そんな当たり前のことをもう再認識させてくれる作品だった。強烈なファンにしかおすすめできない(つまり私はそこそこのファンだったと証明された)。

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