ケンドーコバヤシ「パッチギ!で井筒監督にだまされた!」撮影当時の裏話。

読売テレビで放送中のトークバラエティ番組・『にけつッ!!』で、ケンドーコバヤシさん(以下ケンコバ)が語っていた『パッチギ!』の裏話が面白かったので書き起こして紹介します。

なぜ今さらパッチギ!ネタを?と思いましたが、第5回沖縄国際映画祭の特別プログラム「桜坂映画大学」で上映された同作のオーディオコメンタリーを務めたのをきっかけに、「いろいろ記憶が蘇ってきた」そう。パッチギ!ファンとしてはなかなか興味深いものでした。



ボウリング場での決闘シーン

ケンコバ:僕がボーリング場で口にビー玉詰められて、バンッと殴られて血ダラーッと吐くシーンがあるんです。いったー!って。

 

ケンコバ:そのシーンは、最初は綿を口に詰めて、でヤンキー役の子にダンッと殴られて、首を振って綿に染み込ませた血のりをキュッと(噛んで)ピュッと流れる。
ジュニアさん(以下Jr):はいはい。
ケンコバ:それを10回くらいやっても井筒さんがOK出さないんです。

「あかん、もっかい行け」

みたいな。しまいに井筒さんが、今思えばわざとなんですけど、殴ってた、浪岡っていう今結構売れてる役者なんですけど、ボロクソ怒りだして、

「お前コラ喧嘩で馬乗りになって殴ったこともないんか?」
「喧嘩で馬乗りになって殴る奴の顔がそんなんか?」

とか言い出して。

「あかん!」
「コバちゃんごめん」
「ちょっとビー玉だけマジで入れてくれへんかな?雰囲気出したいねん」

…あ、…いいですよ全然っ!て言って、でまたバンッて(殴るシーン)やったけど、

「あかん!」
「なんやお前コラ。根性ないんかコラァ!!」

みたいになって。
ジュニアさん:はいはい、その殴っている役者さんに。
ケンコバさん:それを3.4回繰り返して、

「コバちゃんごめん」
「一発だけ入れられて」

えっ!一発だけ入れられて?ビー玉口に入れて、本気じゃないにしても殴られる? ほな浪岡も興奮状態になってきて。まあ、そうやってたぶん井筒さんは(テンションを)上げていくんです。「コバさんお願いします」みたいになって。よし一発だけいこか〜……っていう。ほんで実際ガァーン!て殴られて、ほんまにマジの血みたいなの出て、いったー!!ってなったときに井筒さんが、

「はいカット オッケー!!撤収ーー!!」

って言って俺と目合わさんと帰って行ったんです。やられたな、思て。井筒さんに次会ったときに、「ええ加減にしてくださいよ!」「ええそうやったかな ははは」みたいなんがあったんですよ。で、それぐらいやったんですよ記憶が。でもいろいろ蘇ってきて。映画観てたら。

高岡蒼甫を鉄ゲタで踏みつけるシーン

ケンコバ:高岡蒼甫、あいつとタイマンで喧嘩するみたいなときに、僕が勝つシーンがあるんです。それで最後、倒れた高岡の腹を鉄ゲタで踏んで「二度とくんなコラァ!」みたいなシーン。
Jrあったあった。

 

ケンコバ:あったでしょ、そのシーン。それ、最初は寸止めで、もちろんね、鉄ゲタですから、一応ゴムの下駄みたいなんも用意してあったんですけど、「ゴム下駄よくないなあ。完成度低いなあ」みたいな。ほんで、(撮影シーンで)「二度と来んなコラァ」ってやったら

「ちゃうなぁ〜」
「おい高岡、お前座布団まけ」

って言い出して。…え?ってなって。

「コバちゃん、座布団巻いてるから、人間なんかそんな簡単に死なへんから」
「一発だけいったってー」

みたいな。えー!ってなって。高岡も役者としての根性すわってるから、「コバさん来てください」みたいな感じで。……えーー!!ってなって。もう怖くて怖くて。(すごくソフトな蹴りしかできない後で)「二度とくんなコラァ!」って。これ10回くらいNG出したんですよ。踏めない。

Jr怖いねんな。
ケンコバ:怖いんですよ。でも最終的には僕もう追い詰められて、「蹴り入れな終わらへんぞー」みたいになってきて。いったんですよ。ダンッ!って。で高岡は「全然だいじょうぶです」。ほんま役者魂って凄いなあって。

ウイスキーの瓶で殴られるシーン

ケンコバ:で、僕が1個思い出したというか、すっかり忘れてたシーンがあったんです。というか、忘れさせられた、というか。ジュニアさん覚えてますかね。僕がスナックみたいなとこで飲んでたら、今度また、僕にやられた後の高岡が僕を見つけて、ウイスキーの角瓶で僕をバーンと殴って、僕がこけるっていうシーン。で、あわわわって痙攣するみたいな。もうそのシーンのこと俺忘れてたんです。

Jr結構後半やんな。
ケンコバ:後半です。

 

ケンコバ:それね、朝現場行ったら、そのウイスキーの飴細工で作った瓶がズラーッと並んでて、「コバちゃんこのシーン台本みたか?」「はい見ました」「(スタッフに)これ飴で作ったやつ何本あんねん?」「10本以上あります」おおそうか」

「一本(どんなんか)見とくか?」

って言って、(割ったら)シャーンて割れるんですよ。テーブル叩いたらね。「ほらこんなもんや」って。で、いざ本番なったら、これはもう一発で終わったんですけど、たまたま割れなかったんですよ。で、ドゴォ!ていうて僕一瞬気が飛んだみたいなになって、「はいオッケー!良かったよ!」て言われたけど「いや僕演技してないです」みたいな。「なんやこれなんで割れへんかったんや〜」みたいなこと言ってたんですけど、それを、ブラックマヨネーズの吉田が結構井筒さんと飲んだりしてて、その話をし出して

「井筒さんあれ、小林さんが瓶で殴られるシーン、あれ普通やったらバッシャーンて割れると思うんですけど」

って聞いたら

「お前飲み屋の喧嘩見たことないの?」
「あんなん割れへんで。リアルは割れへんねん!」

て言うてましたよ、て言われて。……ちょっと待てよ!ということは、あいつ俺に割れるやつを見しといたうえで、安心させといて割れへんやつでバァン!てやらしたってことでしょ。恐ろしい男ですよあいつ!

 

以上です。
どうしても文字では限界がありますが、書き起こしてみました。
やはり映画監督って凄いというか、良質なシーンを撮るためならなんでもやるんですね。
パッチギ!を観ていない人はぜひご覧になってください。もっともオススメな邦画の一つです。

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コウカ(kouka)
ライター、カメライター、漫画原作者。写真と落書き漫画を交えて文章を書くのが好き。瞬発力だけで生きている。

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