映画版 聖☆おにいさんは小学生視点のエピソードが要らない

月刊『モーニング・ツー』で連載中の『聖☆おにいさん』が映画化したというで、原作ファンの私としては絶対に観ておきたい作品でした。
昨晩仕事で遅かったにもかかわらず、老人のように早朝5時に目覚めたので朝一の回を観てきました。

感想を一言で表すなら、

 

だから漫画のアニメ化には期待すんなって言っただろ

 

ですね。

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2013/日本
監督:高雄統子
原作:中村光
脚本:根津理香
声の出演:森山未來(イエス)、星野源(ブッダ) ほか

聖人イエスとブッダが東京・立川で過ごす日常を描いた中村光の人気ギャグ漫画をアニメーション映画化。世紀末も無事に超えることができたブッダとイエスは、バカンスとして下界に降臨。立川のアパートで共同生活を送っていた。素性がばれないようにと注意しながらも、事あるごとに小さな奇跡を起こしてしまう日々。それでも2人の人間味あふれる行いに、人々の間に心地よいつながりが芽生えていく。



漫画アニメ化の難しさ

漫画がアニメ化される度にいつも思うのですが、何が難しいかって、漫画はみんな自分の想像力をプラスして読んでいるってことです。特に私の場合、キャラが吐くセリフのスピードやトーン、間。

コマからコマへ目を移すスピードも自分の好きなように読んでいます。アニメ化すると、その自分の好きな「間」をアニメ作家や声優に埋められるのが違和感に通じるんですよね。バッチリはまるならいいですが、合わなかったときはその違和感が最後まで続く。これ、結構辛いです。

今回、私が最も感じた違和感はナレーション。

セリフが遅いんですよね…。もっとスッと言ってくれないと。せっかくのギャグが妙にしらけてしまう瞬間がいくつかありました。

声優について

森山未來さんと星野源さんが演じたことで話題を集めましたが、個人的には森山未來さんのイエスはちょっと声が低すぎるかな……と。
しかし、

「(自分の)こだわりが強いシーンでは何度テイクを重ねても自らの演技を一切変えない」

というほど情熱を持って演じたそうで、見ているうちに「確かにイエスはこんな声かもな」というイメージが作られました。ブッダは特に違和感なし。

今回の不満:とてつもなく退屈な小学生視点からのエピソード

物語はほぼ原作のエピソードが使われていますが、もちろんところどころ映画オリジナルシーンもあります。その代表的なものが、見出しの「小学生視点からのエピソード」。これを語る前にまずは以下を見ていただきましょうか。

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聖☆おにいさん 第1話「ブッダの休日」 by 中村光 is licensed under a Creative Commons 表示 – 改変禁止 2.1 日本 License.

見せたかったのは4コマ目だけなのですが、規約上抜粋ができないのですべて転載しました。この、4コマ目に出てくる近所の小学生たちが主役(?)になり「ボタン星人をやっつけるために頑張る」というエピソードが用意されています。「だいちゃん」というガキがブッダの額を狙って輪ゴム鉄砲を開発したり、仲間と連携して縁日の日に待ちぶせしたり。

 

これがもう退屈ったらありゃしない。

 

感情移入もできなければ、大した盛り上がりもない。イエスとブッダのやり取り(ギャグ)も子どもたちが会話する背景で行われるような演出でBGM化しているし、かといって主役の悪ガキ共が面白いことをするわけでもないし……。なによりこのエピソードがそこそこ長い。

早く終われよと思っていたのは私だけでないはず。

嬉しい特典付き

というわけで正直なところ映画にはそれほど満足できませんでしたが、特典でもらえる『神話』はGOODです。イエスとブッダが地上に降臨する前夜、大家の松田さんから「印鑑登録証明書を用意しろ」と言われた件について真剣に悩むエピソードが書き下ろされています。先程紹介した森山未來さんのエピソード等もこの特典に収録されています。

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映画よりこっちの方が面白かったかも。やっぱり原作には勝てませんね。そんな当たり前のことをもう再認識させてくれる作品でした。

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コウカ(kouka)
ライター、カメライター、漫画原作者。写真と落書き漫画を交えて文章を書くのが好き。瞬発力だけで生きている。

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