断糖やスーパー糖質制限ではなく「まず」ロカボがいいと思う理由

公開日:2019/01/14 更新日:2021/10/22

糖質制限肯定派の僕ですが、断糖や極端な糖質制限ではなく、「まず」ロカボから始めてみては?と思うのには次の理由があります。

1.激しい糖質制限が体に合わない人もいる

僕自身は、ロカボ(一食につき糖質〜40g)よりもスーパー糖質制限(一食につき糖質〜20g)に近い食生活をしているのですが、初めて糖質制限をする方にはハードルが高い気もします。

物心ついた頃から慣れ親しんでいる米やパンが食べられなくなる訳ですからね。

食生活や生活習慣の変更は心身ともに負担が生じるものですし、個人差もあるでしょう。後述しますが、(これが正しいという)エビデンスだって足りているとは言えません。いきなり振り切った生活をするにはリスクを伴う、というのが僕の見解です。

2.断糖やスーパー糖質制限がいいのか、エビデンスをもって断定できる人はまだいない

糖質制限が適しているという根拠の一つに、人間は元来、肉食に近い雑食だという考え方があります。農耕文化が誕生する約1万年前まで、人類は何百万年もの間、低糖質の生活をしてきました。

詳しくは別の記事で書きますが、要するにヒトは、現代人の食生活で起こっているような「血糖値の急上昇」「想定しないつくり」になっており、その構造は現代でも「変わっていない」という説です。

ところが、です。低糖質生活に比べると歴史は浅いものの、少なくとも数千年は米をはじめとする炭水化物を摂取してきたわけで、順応するには十分な時間だとも思うんです。それは、進化生物学の専門家であるマーリーン・ズック(Marlene Zuk)氏も、著書『私たちは今でも進化しているのか?』で「1万年は十分な時間である」と語っていますし、糖質制限食に異議を唱える医師・栄養士もたくさんいます。

なにが正しいのか、断定するには材料が足りないので、僕は「適正糖質」を唱えているロカボは現時点ではバランスがいいと判断しました。「サピエンスが米を食べていいと思ってるのか」とまで言う金森重樹氏でさえ、「異常や不調を感じたら自己責任で病院に行く」と言っていますしね。

3.断糖やスーパー糖質制限は1円単位でつける家計簿と似ている

まだまだ勉強中ではありますが、糖質は人間が生きていくうえで特に必要のないものであるどころか、脳内報酬系を刺激するキケンな奴というのが今のところの見解です。本当に体のためを思うなら、断糖やスーパー糖質制限がいいでしょう。

しかし残念ながら、現代の食文化はどこもかしこも糖まみれ。細かいことを気にしだしたら食べられる物がかなり限られます。お寿司だってNGなんですよ。(;_;)

「健康のためなら死ねる」みたいな人なら問題ないかもしれませんが、僕はそのあたり、ざっくりでオッケーな代わりに、長く緩く続けられそうなロカボを選びました。シビアに家計簿を付けだすと嫌になるタイプの人は、「適正糖質」を謳っているロカボのほうが適していると思います(ただし、手っ取り早くダイエットしたいなら断糖またはスーパー糖質制限がおすすめ)。

4.糖質オフ人間は往々にして面倒くさい

共に食卓を囲んでいるのに、糖質制限食をやたらに主張してくる人がたまにいます。たとえば、唐揚げの衣を神経質に箸で剥がして食べたりとか。

一緒に食事している身として、気分のいいもんじゃないですよね。行儀がいいとも思えないし、作ってくれた人にも失礼な気がするし。糖質制限を推奨している僕から見ても面倒くさい奴です。

前項でも述べたように、現代の食文化では糖質のない料理を探すほうが難しいです。居酒屋などで自分が食べられる品だけを分けて注文するならともかく、コースとか鍋とかホームパーティーとか、そうした選択肢のないケースでは、糖質のことなんか忘れてご飯を楽しみたいです。

糖尿病など何らかの健康上の問題を抱えている方は別として、それなりに健康な方で、日頃から糖質制限食を実践しているのであれば、たまの糖質オーバーなんてどうってことありません

夕食が糖質過多になりそうなら、朝・昼を厳しめにすればいいですし、たとえ暴食気味になったとしても、翌日以降に節制すればリセットできます。ご褒美だと思って楽しむくらいの度量が必要だと考えています。

範馬勇次郎だってこう言っているじゃありませんか。

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おわりに:「ロカボは中途半端」という指摘について

一部では「ロカボは中途半端で意味がない」という意見があります。
わかります。少量とはいえ、毎日コメやパンを食べていると糖質依存から抜け出せないでしょうし。あえてキツイ例えをしますが、薬物中毒者に「少量だから」と言って薬物を与え続けるのと似た構造です。

また、ロカボという立ち位置には少なからずのビジネス臭もします。糖質制限否定派のお偉い先生方を敵に回さず、食品メーカーとも良好な関係を持続できる絶妙なポジションがロカボです。患者や消費者にとって本当に良いから広まったというより、協力者を得やすく、ビジネスとしても旨味があるから広がった、という気がしないでもないです。

まあしかし、糖質はそもそも「手っ取り早く使えるエネルギー」な訳で、ちゃんと使い切る、または使い切れる程度の量を摂取する、なら問題ないはずです。僕は健康のために運動もしていますので、その意味でも、とりあえず始めるならロカボくらいが調度いいと思っています。

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コウカ(kouka)
ライター事務所「k-note」代表。カメライター、フォトライター、漫画原作者。写真と落書き漫画を交えて文章を書くのが好き。詳細プロフィールはこちら、仕事の実績確認・ご依頼はこちらからどうぞ。

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