ライターとして仕事がしたい!でもどうやったらなれるか分からない。
話題のクラウドソーシングに登録し、いきなりフリーランスとして仕事を受ける人もいるけれど、実績もなにもない素人に仕事がくるのか? いやそもそも、自分の文章が上手いか下手かも分からない状態で仕事を請けていいものかどうか……。
こうした思考から、ライタースクールの門を叩く人も少なくないと思います。しかし、ちょっと待ってください。ライタースクールは、本当に自分をプロのレベルに引き上げてくれるのでしょうか?「第一線で活躍する講師陣」とやらが指導してくれるからといって、そこに何十万円もつぎ込んでいいのでしょうか?
もちろん、スクールで講師を任されるレベルの方は素晴らしい実績を持つライターでしょうし、スクール自体の指導体制もきちんとしているのでしょう。しかし、それと「プロになって就職できるか」または「仕事がもらえるようになるか」は別の話です。
入学する前に、ライタースクールに通ってなにが得られるのかを理解しておくのは非常に大切ではないでしょうか。
ちなみに私はライタースクールには通っていませんが、同僚のなかにスクール出が複数人いたこと、取材で授業を見せてもらったことが何度もあること、なぜかデザインスクールには通った経験があること(笑)から、大体の実態は理解しているつもりです。
ライタースクールのカリキュラム
各教室で多少の差はあるでしょうが、「編集・ライターコース」の一般的なカリキュラムは以下のようなものです。
- 編集用語やライター用語などの基礎知識
- ライティング技術の習得(国語力の強化)
- 企画の仕方・売り込み方
- 編集スキルのあり方
- 取材の仕方あれこれ
- 著作権や薬事法など法律関係の知識
- 卒業制作
どれも基本的に課題を通した実践授業で、講師が文章に朱入れしてくれます。普段の授業もさることながら、課題は仕事だと思い込み、いかに魂を込めて執筆するかが成長の鍵だと思っていますが、講師の方曰く、課題を提出しない生徒もたくさんいるのだとか。スクールに通っているという安心感がそうさせるのかもしれませんが、お金をドブに捨てるようなものですよね。
ライタースクールで得られるもの
文章に本気で向き合う時間
スクールで力を伸ばすには、スクール以外の時間でもどれだけ文章に向き合うかだと思っています。
実績のあるプロ講師の存在は頼りがいがありますが、いかに彼等でも本気で努力しない人をプロレベルに押し上げることはできません。そういう人に限って、「伝える」を意識せずひとりよがりの文章を書く傾向があるんですよね。不思議ですが、何度指導しても「自分にしか分からない構成で書く」「どうでもいい情報で文章の大半を構成する」人が結構います。
指摘されたことに向き合い、自分の文章を再構築できない人は、練習量が足らないだけと私は思います(もちろん不向きな人もいますが、それを言うと元も子もないので^^;)。
スクールといっても、講師は長時間マンツーマンで教えてくれるわけではありません。できあがったものを見て少し方向性を正してくれる程度です。何万円も払っているのに!と思うかもしれませんが、本当にそんなものです。したがって、スクール以外の予習・復習・独学の時間がものをいうと思います。
スクールに入学するということは、そういったストイックな環境に自分を置けるということです。「大金を払って文章の練習をしている」「就職のための努力を本気でしている」という意識を忘れないでください。
企業とのパイプラインと就職サポート
最も大きなメリットはこれです。スクールもビジネスですから、就職実績がないことには生徒への売り文句がありません。そのため、つながりのある企業や、講師が運営する会社、過去の卒業生が務める会社など、就職へのパイプラインを用意してくれているはずです。
卒業が近づいてくると、就職相談が開催されたり、構内の掲示板に求人票が貼られたりと、就職のサポートをしてもらえるでしょう。未経験で仕事を探すにはそれなりの苦労が伴うため、そうしたサポートがあるのは本当に魅力です。
文章なんて上手い人は放っておいても上手くなるので、個人的にはこの就職サポートのためにほとんどのお金を支払っているといっても過言ではありません。
ともに学び合う仲間ができる
授業の形態や規模にもよりますが、長いカリキュラムをがっつり学ぶスクールでは、同じ夢に向かって頑張る仲間ができ、モチベーションの継続につながります。不思議なもので、共に働いた仲間より、共に学んだ仲間のほうが関係が長続きしやすいんですよね。
私はデザイン学校で知り合った仲間と今でも交流がありますし、本当に大切な出会いだったと思っています。まあ、ライターになったのなんて私くらいですが(笑)。
まとめ
著作権や薬事法など、現場で役立つ知識がひととおり学べるのは魅力ですが、プロの講師陣の技術力がダイレクトに伝導される場所ではありません。極端な話、スクールに通わなくても就職できる人はできるし、できない人はできません。
入学費や授業料は決して安くない買い物です。スクールで得られるものを理解し、自分が飛び込んだ環境ですべきことを実行してください。