転職活動をしていたとき、入社のための実技試験でこんな課題が出ました。
■「オレンジジュース」「政治家」「スノーボード」をキーワードに300〜500字程度で記事を書いてください(制限時間25分)
僕はこれを見てアホか。と思いました。
この会社は応募者の文章力じゃなくて大喜利力を審査したいのかと。らくごのごをやりたいのかと。
まあ、それならそれで自分はこの会社に相応しい人材じゃないなと思い、完全に消化試合モードでなんとなく執筆……したものの、やっぱりどう読み返しても面白くないんですね。構成もグダグダだし。
だから全部消して白紙で提出してやりました。
当然、面接官は驚きます。
「どうして白紙で出されたんですか?」
私は自信満々に答えました。
「力が及ばず薄い内容に仕上がったので、ならいっそのこと0点でいいやと思ったからです」
「……な、なるほど」と顔をしかめる面接官。ま、当然落ちたな~とか思っていたら、3日後内定の知らせが。
受かった理由は複合的なものでしょうが、記事に対する僕の姿勢を評価してくれたのだと勝手に思っています。(結局は辞退しましたが)
100点か0点かどっちかで良いと思っている
と、前振りが長くなりましたが、見習いライターさんやアルバイトのライターさんの記事を見て一番言いたくなるのが「薄い内容なら書くな!」なんですね。深く掘り下げられなかったり、事実関係がハッキリせず表面をなぞる程度の内容なら、そこは全面カットして他の部分に厚みを付けたほうがいい。
薄くなりそうなトピックにどうしても触れなければならず、その突っ込みを回避するために、あえてさらっと書く技術は必要ですよ。でも、単なる調査不足などが原因で深みのない内容に仕上がりそうなら、もう書くのを止めましょう。検索で何らかの「答え」を求めてやってきた人の期待を裏切るうえ、自分のライターとしての価値も下げてしまいます。
- 記事にこだわりを持つこと。
- 念入りに取材・調査すること。
- 「文章で読者を救う」くらい、おせっかいな情報提供を心がけること。
こうした気持ちで仕事に取り組めば、きっと「熱い記事を書く人」と評価されるでしょう。
なお、「いや、お前のこのポスト自体が薄いんだよ」という鋭い突っ込みには、安定のスルースキルをもって対応させていただきます。