秋に差しかかる前から暴飲暴食が止まらないコウカです。シルバーウィーク中には人生初の過食で嘔吐するという経験を積むことができ、精神的にも腹回り的にも大きくなれた気がします。
まあそんなことより、先日、出版業界で働くフリーランスを応援する『出版ネッツ(関西)』さんのセミナーに参加してきました。
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ライターとしては致命的なのですが、僕は取材が得意な方ではありません。今でこそ自分なりの「型」を見つけて多少マシにはなりましたが、それでも、昔同行させてもらった上司の取材テクニックに比べれば下手もいいとこ。経験3年目くらいまでは、同席した営業さんやカラメラマンさんに「こいつ大丈夫か?」みたいな顔をされるのが情けなくて仕方なかったものです。
そんなことから、取材慣れしている他の先輩ライターさんたちのテクニックを拝聴すべく、会社の仕事をすっぽかして参加してきました。まあ蓋を開けてみると、ライターあるあるを聞かされただけだったりしたのですが、座談会だからそんなものかもしれません。
以下、ネタバレになると怒られる気もするので、お題に上がったものに対する僕のスタンスを書きたいと思います(長文になるのでお題ごとに記事を区切ります)。
取材時の服装はどうしてる?
司会の方々が全員女性だったせいもあるかもしれませんが、まずお題に上がったのがこれ。結構気遣われているようです。
もちろん「TPOに合わす」というのが正解なのですが、微妙な現場もあって、難しいときがあると。迷ったときはフォーマルだ!と思いピシっとした格好をしていくと、「それじゃ相手が緊張しちゃいますよ〜」なんて言われたり。
僕は駆け出しの頃、某資格系専門学校の取材に思いきり普段着で出かけ、クライアント、協力会社の営業さん、社長の三者からそこそこ怒られるという苦い経験をして以来、「じゃあどんな現場にもスーツにネクタイで行ってやる!!」を貫いていました。当時はわりと童顔だったせいもあり、現場では少なからず「おいおい誰だよ大学生アルバイト呼んだの」みたいな声も聞こえたきたため、似合いもしないあごひげを生やして貫禄を偽装するという涙ぐましい努力もしたものです。
なのになのに、ある日、仕事を頂いていた発注元のディレクターさんと取材先でばったり出くわしたところ、その方は普段着丸出しの、お世辞にも清潔とはいえないパーカーをまとって参上しているではありませんか。そして僕を見るなり、「もしかして、いつもスーツっすか…?」なんて理解に苦しむ表情を浮かべてやがる。
僕はてっきり、後ほどクライアントから
「あのディレクターさん、どうなんですかねえ」
「後でコウカさんからもちょっと苦言を呈しておいてくださいよ」
なーんて言付かるのかと思いきや、聞こえてくるのは彼を絶賛する声ばかり(ちなみにこの人は後に伝説のディレクターと言われた)。
このとき僕は確信しました。この仕事は、きちんとした実力さえあれば、
「あの人はクリエイターだから格好も個性的だよね〜」なんて言われちゃう。
「僕らの窮屈な常識に閉じ込めちゃダメだよ~」なんて言ってもらえる。
程度の差こそあれ、人は他人を外見で判断する。これは当たり前。しかしその一方で、中身もきちんと見てくれているもの。つまり当時、僕が叱られたのは格好のせいじゃなく、実力不足だった、ただそれだけのことなんです。
そういえば、僕が心から尊敬しているHさんというカメラマンさんも、会社員の頃、「ネクタイを付けて来い!」と憤る上司の言葉を物ともせず、シャレでネクタイの絵が描いてあるTシャツを着て出社するという暴挙に出たお方でした。そのときは大目玉を食ったらしいですが、後に”カメラの腕が只者じゃない”ことが分かると、服装についてはうるさく言われなくなったそうです。
とにかくこの経験を機に、僕はスーツ&ネクタイが望まれる場でも堂々と私服で出かけるようなどでかい男に成長し、もしかして密かにクレームを受けているかもしれないけれど、もしかしてそれが原因で仕事を切られたかもしれないけれど、そんなもんどこ吹く風な一流ライターになれたということです。
まとめ
つまり答えとして、服装は「清潔感さえ保っていればあまり気にしない」が僕の流儀です。
もっとも、以前「めちゃくちゃ怖い」という評判の看護部長さんの取材が決まったときは、恐れおののいてフォーマルな格好で固めて行きましたけどね。凡人が細く長く生きながらえるためには屈することも必要。以上、解散!
取材ネタ、続けます。
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