リン・ミンチェンが死ぬほど可愛いから許す『霊幻道士 こちらキョンシー退治局』のネタバレ感想

公開日:2017/12/11 更新日:2018/04/21

80年台後半に大ブームを巻き起こした、あの「キョンシー」が復活した!……のは、2013年のことですが、思いのほかヒットして気を良くしたのか、またまた新たな映画が作られました。

『霊幻道士』で弟子役を演じ、『キョンシー』では主演を務め、もはや”懐かしの顔”ではなくなったチン・シュウホウも出演するとのことで、観ない理由がない。

というわけで、観賞し終えた感想ですが、

手垢のついたクソみたいなラブコメ展開にムズムズするけどシウハー(リン・ミンチェン)が死ぬほど可愛いからもうストロングゼロ飲んで絶賛しようじゃないか

ですね。以下、ネタバレ感想です。

2017/香港 
上映時間94分
監督:ヤン・パクウィン、チウ・シンハン
脚本:ヤン・パクウィン、ホ・ウィンホン、アシュリー・チャン
出演:リン・ミンチェン、ベイビージョン・チョイ、チン・シュウホウ ほか

露天で賑わう香港で、市民の生活を支える街の清掃局。その正体は、キョンシー絡みの事件を密かに解決する政府管理下の組織・キョンシー退治局だった。祖父が働く清掃局でアルバイトを始めた学生チョンティンは、その実態を知らされキョンシー退治の修行をすることに。実はチョンティンの母は彼がお腹にいる時にキョンシーに襲われており、チョンティンにはキョンシーに対する免疫ができていた。ある満月の晩、本部に運び込まれた美女のキョンシーがチョンティンに噛み付くと、美女キョンシーに変化が現われ……。



感情がないはずの美女キョンシーが自分にだけなつく、という設定がもうヤバイ

主人公のチョンティン(ベイビージョン・チョイ)は、キョンシーの毒に対する免疫がある特異体質の持ち主。このおかげで、キョンシーを手なずけたり、キョンシーの毒を中和させるワクチンを作り上げたりすることができるのですが(鶏の血やもち米が不要な世界観\(^o^)/)、こうした類の設定は、特に新しくもないけど悪くはないと思います。今作では、その特殊能力がラブコメ方面に使われた、というところが評価の分かれどころでしょう。なんてったって、ラブに割く尺が長すぎる。

ただね、悪口は後述しますが、シウハーがキュートすぎるから成功でいいじゃないですか。

「実写版ワンピースのナミ」と評されている美貌のうえ、

  • 権力者の道連れにされ若いまま無念の死を遂げた(しかも選別がテキトーっぽい)
  • その際、もがき苦しみ抵抗したことが分かっている
  • 死者なのに涙を流す
  • 自分は襲ってこない(むしろなついている)
  • 生前のトラウマを思い出し俺の胸にダイブ

こんな設定がそろって彼女をかくまわないという選択をする奴がどこにいるのか。

チョンティンは、仕事を終えて自宅に帰るのが楽しみだったはず。はじめは扱いに困ったシウハーが、物事を教えるたびにみるみる吸収していき、どんどん人間らしさを取り戻していく。ご飯の「待て」どころか、カメラに向かってポーズを取ってくれたりしますし、最終的には死後硬直に打ち勝って歩行できるようにまでなるんですから。もはや「キョンシー」じゃないしw

男目線で埋め尽くされたシウハーとのどきどき展開について、おそらく多くの人は「長えよ馬鹿」と吐き捨てるでしょうが、あざとくても可愛いシウハー、誠実で清潔感のあるチョンティン(向井理か星野源に見える瞬間がある)がお似合いすぎて、僕は退屈には感じませんでした。むしろもっとやれというか、正確に言うと、もっとシウハー成長記を見せてくれという気持ちが増してきたほどです。

はい、ということで、男なら絶対かわええと感じたシウハーの行動&仕草ベスト3いきまーす。

第3位:

豚の血入いりの粥をむさぼり食い、口周りを拭いてもらったときの笑顔

チョンティンが「食べたいのか?よーし…」的なことを言って、食べさせてもらえるとわかったときの笑みも捨てがたい。

第2位:

おでこに貼られたお札をフーフー拭く

これは無邪気アピール全開のあざとさNo.1級のシーンなのですが、むちゃくちゃ可愛いので問題なし。フーフーした後、剥がしたお札を道士に貼り付けようとして怒られるシーンまで含めて天使。

そして堂々の第1位…

スプーンでもらう粥より、チョンティンのほっぺについている粥を食べる

リン・ミンチェン級の美女がやったら、そりゃあ普通に破壊力があるんですが、ここ、人としての恋愛感情が戻っているのかいないのか分からないシウハーがやるから破壊力が増すんです。

よ〜く演技を見ると、シウハーはチョンティンが粥をすくってくれる辺りからほっぺの粥に気づいており、純粋にお腹が減っているから先にそっちを食べた可能性の方が高いのですが、チョンティンはこれにもうドッキドキ。「僕のこと……好きなのか?」的な。

以上、賛同いただけたはずですが、異論は認める。

あ、あと、チョンティンに散髪してもらい、鏡に映る自分を見たときの溢れんばかりの笑顔も究極至高で海原雄山ですらデレデレになるに違いない。個人的にはロングのときの方が好みなのですが……

え? 

さっきからずっと気持ち悪い? 

自覚してます。

古参ファンが噛みつきたくなるのはごもっとも

この映画、古参ファンであればあるほど酷評したくなると思います。答えは単純、ラブにパワーを割いたおかげで、キョンシー映画の軸となる「アクション」「ホラー」「コメディ」がどれも薄いなんてもんじゃないから。

もっとカンフーで戦え

バトルシーンは数そのものが少なく、そのうえ役者の動きもなんとなく鈍いです。もっと言えばカンフー感が全然足りない。舞台が現代だからかもしれないけれど、キョンシー映画にはもっと派手でザ・中国武術!みたいな動きを求めたくないですか。

昔はあんなにキレのあったチン・シュウホウも、歳のせいかドタバタして精彩を欠いている気がします。やっぱりラム・チェインがいないとダメなのか。もしくはアンソニー・チェン。

VCD(Vampire Cleanup Department)のメンバーは大半が年寄りで華麗なアクションは期待できないし、無駄に人数が多くてそれぞれの特技がイマイチ伝わってこない。メンバー唯一の女性は偉そうにしてるけど、結局なにができるんだっけ? ドラマなら、メンバー一人ひとりにスポットを当てる回を作れたんでしょうけど。

法術はもっと祈ったり跳ねたりして小道具と共に使え

見せ場の一つである法術も、種類、アクションともに非常に雑。もっとお馴染みの小道具を使ってほしいんですよね。それと、お祈りしながらバク転とかバク中とか、法術の準備にそれ必要?みたいな、無駄だけど無駄じゃないアクションが入っていないと、いきなり発動する魔法みたいで法術の尊さを感じない。

ホラー性が皆無

シリアスなシーンついては、『キョンシー』でそっちに振り切りすぎたせいか、今作では皆無に近いですね。多少、緊張感があったのは湖から出現するシウハーのシーンでしたが、直後にお美しく復活なされて記憶から消える仕様でした。

ラスボスの地主キョンシーは、VCDが総出でかかっても敗北するあたり、強いんだろうけど、画面のどこかにキレイなまま囚われているシウハーがチラチラ映るせいか、その後のチープな結末が容易に予想できてしまう。

あの見せ方だと、シウハーが火事場のクソ力を出して相打ちになるか、チョンティンの身代わりになって地主キョンシーに殺された結果、怒り狂ったチョンティンが眠っていた力を目覚めさせて瞬殺しちゃうかの2択しかないじゃないですか。

コメディには純粋な笑いが必要

コメディ要素は、ラブコメなのでそこに詰まっていたのかもしれません。が、声に出して笑うみたいなシーンはなかったと思うのですがいかがでしょうか。

これは難しいかもしれないけれど、『霊幻道士』でラム・チェイン&アンソニー・チェンの兄弟道士コンビが見せた、バトルシーンなのにギャグが挟まっている、みたいなのが個人的にベストです。

以上、完璧な老害の意見かもしれませんが、古参ファンの一人としてはそういうところが不満でした。

ですがタイトルでも言っているように、リン・ミンチェンが死ぬほど可愛いから全部どうでもいいんですけどね。

さいごに

生前はクズな主人のために生き埋めにされたシウハーでしたが、100年の時を経て、チョンティンという誠実な青年に巡り会えて本当に幸せだったと思います。一緒に過ごした時間は短かったけれど、チョンティンのためなら命を差し出しても悔いはなかったでしょう。優しいご主人様にめぐりあえて良かった良かった。

そうした流れで、チョンティンにキスをされて成仏していくシーンは感動もの。

……のはずなんですが、消えゆく瞬間、最後の力を振り絞って見せた動作がサムズアップ(親指を立てる)というのは、ターミネーター2しか思い出さないので止めてほしかった。サムズアップについては途中であからさまな伏線があり、まさかとは思っていましたが、最後に本当にやりやがったという印象です。

この映画、指摘している人もちらほらみかけたのですが、いろんな映画からちょいちょい小ネタをパクってる気がするんですよね。飲んだらその日の出来事を忘れるお茶は『メン・イン・ブラック』のニューラライザー(光る棒)を思い出したし。

以上、ホラーでもアクションでもなくラブコメとして見てもすこぶる残念な映画ですが、リン・ミンチェンが可愛すぎて好きになったから100点満点ッ!異論は認めないッッ!!解散ッッッ!!!

Huluでも観れます。

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コウカ(kouka)
ライター、カメライター、漫画原作者。写真と落書き漫画を交えて文章を書くのが好き。瞬発力だけで生きている。

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