一昔前?に流行った無料性格診断テスト『16Personalities』を試している人が増えている様子。SNSに広告でも出したのだろうか。
https://www.16personalities.com/ja
「あなたは◯◯タイプ」と診断されるのだが、ドンピシャでそのとおり!という人は少ないんじゃないだろうか。たとえば私は指揮官(ENTJ型)タイプだそうで、確かに目標思考ではあるけれど、チームリーダーとしての才能はあまりない。
さて、性格診断と銘打っている以上、「あなたは◯◯タイプ」と言い切ったほうがユーザーは喜んでくれるだろう。しかし、身体の偏りや腰椎のゆがみで個性を判断する『体癖』しかり、人には表と裏があるのが通常だ。掛け合わせで構成されているので、私には指揮官の一面も確かにあるが、別タイプの一面もある。
そこで思い出したので、アタッチメント(愛着)タイプについて書かれた書籍を紹介したい。精神科医で神経科学者のアミール・レバイン博士の著書『Attached』によれば、異性に対する愛情ニーズは「安定型(Secure)」「不安型(Anxious)」「回避型(Avoidant)」の3種類に分かれるという。
・安定型(Sタイプ)
「自分は愛される価値がある」という考えが根底にあるため、自分の気持ちを率直に表現できるし、パートナーの気持ちも受け入れられる人。驚くことに、世の中の大半がこのタイプらしい。
・不安型(Nタイプ)
大切な人との距離を詰めたがる人で、常に愛情を感じていないと不安で仕方がない。相手と自分との関係なんで吹けば飛ぶものと思っているため、パートナーのふとした言動で一喜一憂し、考えすぎた結果良からぬ行動に出る。女性に多いとされているが、男性にも意外に多い。
・回避型(Vタイプ)
不安型とは真逆で、パートナーとの距離が近すぎると息苦しくなり、一定の距離を保ちたがる人。1人の時間や空間を阻害する人を「敵」と見なす。
興味深い。
安定型はどのタイプとでもうまくやっていけるが、絶対に避けたい組み合わせは不安型×回避型カップルだ。一緒にいる限り、「追えば逃げる」が永遠に続くのである。ところが、不安型と回避型は補完関係にあるため、このカップルはかなり多い。
回避型は、自分でも理由がわからず相手に冷たくしてしまうが、パートナーが不安型なら迷走しながらも距離を詰めてきてくれるので、心地よい追いかけっこが続く。一方、不安型が回避型と付き合うと心が休まる日がないが、相手に振り回されるドキドキ感を恋だと勘違いしているため、辛い気持ちをこらえて追いかけてしまう。そして厄介なことに、ドキドキ感をもたらさない安定型に惹かれることは少ない。
あなたはどのタイプだろうか? あるいは、複数の掛け合わせでできているだろうか? ちなみに、私は典型的な不安型だが、回避型の一面も大いにある。自分でもわけがわからないが、自分と向き合う余地はまだまだあると考えれば楽しい。
さいごに、紹介した本はなぜか『異性の心を上手に透視する方法』という邦題で販売されている(他のレビュワーも大いにつっこんでいる)。恋愛how to系のようで手に取りにくいが、おすすめです。