丁寧に設計された世界観が面白い『就職難!! ゾンビ取りガール』

公開日:2015/01/13 更新日:2018/04/21

やることはたくさんあるのですが気力がないのでKindleで漫画ばかり読みあさっているコウカです。前回に引き続きオススメ漫画を紹介します。

非力なゾンビが街にあふれる日本。メカマニアの僕が勤める零細ゾンビ回収業者「ゾンビバスターズ」に、新卒女子がバイトでやってきた。それはこの世の春か、失恋の始まりか?新人バイト女子を指導しながらゾンビと戦う!

日常エッセイで知られる福満しげゆき先生がなんとゾンビものに挑戦。絵柄にマッチするゆるい日常に溶け込んだゾンビが、ゆるいゾンビ回収業者たちにゆるく回収されていくのですが、ゆるいのに「死と隣り合わせ」という緊迫感があるんですよね。特に後半のスリリングな展開とアクションは見ものです。

基本設定と1巻の内容をざっと紹介

宇宙から降り注ぐ怪光線的な何かが原因で、作中の人類は死ねば全員ゾンビになるという設定です。まだまだ人気爆発中の海外ドラマ『ウォーキング・デッド』と似たような世界観ですね。死ぬか、ゾンビに噛まれるかで、体内にセットされたゾンビスイッチのようなものがオンになるという感じです。

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回収対象になるゾンビのほとんどは、孤独死などで自然にゾンビになった70歳以上の老人。ゾンビの強さは=死亡時の身体能力・状態という設定なので、お年寄りが強いわけはなく、また若くて丈夫な人でも、交通事故死等で体中がボロボロの状態だと満足に身動きできないため、脅威ではないという理屈。

そんなゾンビたちを回収し、解剖して身元確認を行なうのがメイン業務です。我慢さえすれば非力な女の子でもできる仕事なので、就職難であふれた可愛い子が入ってきても(そう)おかしくはないというわけです。

出典:就職難!! ゾンビ取りガール 1巻/福満しげゆき(以下同
出典:就職難!! ゾンビ取りガール 1巻/福満しげゆき(以下同

ゾンビ業者とはいえ、依頼がない限りは街でゾンビを見かけてもスルーします。また、回収作業はあくまで動かなくなったゾンビを回収することであり、人に噛み付く元気のあるゾンビを見つけても無理に捕らえたりしません。このあたりの業務ルールがなんかリアル。

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とにもかくにも、主人公の青年は若くて可愛い後輩ちゃんに心を奪われ、なんとかこの子を辞めさせまいといろいろ気を使うのですが、女の子は変化のない回収作業に飽き飽きしている様子。

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徘徊して人に迷惑をかけているゾンビの回収は、「捕獲」という業務命令が出て、専用の道具を使って捕まえに行きます。ゾンビに打撃攻撃は無効で、多くのゾンビ作品のように脳を破壊しても動きを止めません(バラバラにしてもそれぞれの部位が腐るまで動き続ける)。したがって、ただ身動きできないよう捕獲することに徹します。

ここで厄介なのは、「噛まれてゾンビなった人」。生前ピンピンした状態で噛まれた人間は、ゾンビにやられる過程で四肢を失ったりしない限り丈夫で力強いため、主人公と社長とで仕留めにいくのですが、後輩ちゃんも好奇心を押さえられずチャレンジします。そして見事に1体を捕獲!

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回収よりも捕獲のほうが楽しい!またあのスリルを味わいたい!という後輩ちゃんと、後輩ちゃんに好かれたい一心でいろんな技を伝授する主人公でしたが、日本にはいないはずの凶暴ゾンビが集団で現れたからびっくり。凶暴ゾンビ集団の生前は、ゾンビをオモチャ扱いしているうちに誤って噛まれたDQNたちで、元柔道部ということもあって強いのなんの。主人公は何度も「死」を意識します。

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このDQNゾンビたちとのバトルシーンが結構リアルで魅力的です。主人公がさまざまなテクニックを駆使して戦うのですが、一つ一つの動きや思考から彼が培ってきた経験を感じさせます。こんなにコミカルなタッチなのに独特のスピード感もいい。

ゾンビ漫画といえば、現在おそらくはダントツトップを走る『アイアムアヒーロー』が浮かびますが、ジャンルは違えどアイアムアヒーローに匹敵する面白さです。ゾンビが苦手な人でも嫌悪感なく(たぶん)読めまるので、ゾンビものにチャレンジしてみたい人はぜひ!

主人公と後輩ちゃんの恋の行方も気になります。

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コウカ(kouka)
ライター、カメライター、漫画原作者。写真と落書き漫画を交えて文章を書くのが好き。瞬発力だけで生きている。

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