マット・ダーニングの自爆は男の中の男と呼べる爆死だと思う

公開日:2011/08/14 更新日:2020/06/09

突然ですが、現在、CATVで再放送中の『ビバリーヒルズ青春白書』を観て、ケリー・テイラー(ジェニー・ガース)の恋人役であるマット・ダーニング(ダニエル・コスグローブ)が特筆すべき男の中の男だと認定できたのでここに称えたいと思います。

マット・ダーニングとは?

出典:fandom
出典:fandom
ドナとケリーが運営するブティックの上の階で弁護士事務所を開いているイケメン弁護士。ケリーと付き合うが、実は既婚者である。妻が精神的病を抱え施設で生活しているなど、いろいろと事情はあるが、基本的にはクズ野郎だと筆者は決めつけていた。

上記のとおりマットは結婚していますが、妻とは離婚することにし、ケリーと婚約します。しかし、ケリーは心変わりし、なんと婚約破棄を申し出るのです。

突然の申し出に動揺し、必死に説得を試みるマット。……ただ、思い当たるフシが一つありました。

そう、恋敵・ディラン・マッケイと親睦を深めるために出かけた”男旅”で、一夜の火遊びを楽しんでしまった黒歴史があるのです。

もっともそれは、素行のよろしくない相手の女がマットの飲み物にコカインを入れてハイにさせたせいであり、マットに非がないとは言えないものの、情状酌量の余地は十分にあると思います。

しかし、「女はケリーただ一人」と決めたマットには受け入れがたい大失態です。しかも、ライバル・ディランに弱みを握らせてしまうというおまけ付き。

「どうか、どうかケリーには内緒にしていてくれないか……」

懇願するマットに対しディラン、

dylan2

「俺は言うつもりなんかないぜ」

相変わらず格好良すぎて抱かれたい。

ディランの男気にひとまず安心したマットでしたが、その後、ひょんな出来事から、ケリーがディランに想いを寄せてしまう逆風が吹きます。その風はケリーの背中を押し続け、ついにマットとの将来を反故することを決心させてしまいました。

さあ、ここでマットの頭によぎったのが、あの夜の出来事です。

ディランの野郎ォォォォ!

つげ口しやがったなァァァァ!!

マット自爆フラグの成立です。
以下、うろ覚えですが、だいたいこんな感じ。

_ _ _ _ _ _

マット「あの夜のことをディランから聞いたんだな!」

ケリー「………?」

マット「僕が○○と寝たことさ! しかし誰にだって過ちはあるだろう!!」

ケリー「?!?!?!?!?!?!」
「ね、ねえ、何の話をしてるの!?」

マット「な!? ディランが話したんじゃないのか!」

ケリー「ディランは何も言ってないわ」

マット「じ、じ、じ、じゃ、誰から聞いたんだ!!」

ケリー「あなたよ。いま聞いたわ

_ _ _ _ _

・・・・・・・・・・・。

常人ならここで思考停止状態ですが、そこは敏腕弁護士のマットさん。最強頭脳をフル回転させて弁明です!

_ _ _ _ _

マット「なら!なら きき君は!過ちを犯したことはないのか?」
「僕を裏切ったことがないって、誓えるのか!?」

ケリー「ええ、誓えるわ」
「さようなら」

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という訳で、お見事自爆!!

これほどまでに鮮やかかつ潔い自爆は見たことがありません。 “英雄色を好む”と言いますが、真の英雄とは、色を楽しんだ後処理として、木っ端微塵に消え去る男を指すのかもしれないと思いました。

その意味で、マットは天才です。英雄です。男の中の男です。

自分もこんな場面に遭遇したら、晴れやかに口を滑らせてもいいな……そう思わせてくれるシーンでした。

ちなみに、この一件でケリーは「なんで浮気のこと教えてくれなかったのよ!」とディランを責めましたが、 そこでディランの返しはこう。

dylan2

「君にとってマットは大切な存在だからだ」

人としてのレベルが違う。

そうなんです。結局、ディランを敵に回した時点でマットの敗北は決まっていたんです。

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コウカ(kouka)
ライター事務所「k-note」代表。カメライター、フォトライター、漫画原作者。写真と落書き漫画を交えて文章を書くのが好き。詳細プロフィールはこちら、仕事の実績確認・ご依頼はこちらからどうぞ。

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