主人公は、クソ真面目で超高飛車なお嬢様の委員長と、料理上手な吉田くん。食事マナーに厳しく育てられた委員長は、どんぶりモノを”品のない男飯”と考えており、調理実習の授業中に勝手に親子丼を作り出した吉田くんを注意します。でも委員長は思います。「おいしそう……」。
後日、自分で作ってみたものの、上手にできなかった委員長。仕方なく吉田くんに親子丼の調理をお願いするのですが、性格が高飛車なので、こんな頼み方になってしまいます。
「このアタシのために親子丼 作ってくれる?」
以降、吉田くんにどんぶりをせがむときは毎回こう言うのがおきまり。最初は面倒くさそうだった吉田くんでしたが、毎回気持ちよく平らげてくれる委員長を見て気持ちが動きはじめ……。
どんぶりは簡単なようで難しい
さて、何を隠そう、僕は以前どんぶりモノのブログを運営していました。自分でどんぶりを作ってレシピを載せたり、イチオシのどんぶりや激安のどんぶり店のレビューを書いたり。
だけど続かなかった。「白メシにおかずを乗せるだけ」という単純さが逆に僕を苦しめました。一工夫以上のことをしないと、文字通り「白メシにおかずが乗っけただけ」になってしまうんですよね。当初、委員長が思っていたように、絵面が「品のない男飯」で埋め尽くされました。
だからこの漫画を発見したとき、自分が挫折した数々のおかずでどんぶりを作る吉田くんに脱帽しました。特に度肝を抜かれたのは、『アサリの旨みたっぷりじゅんわり肉まん丼』(第4巻)。「肉まんでどんぶりを作れ」という無茶振りに見事に応えた一品です。手間もさほどかからない。
全4巻でさらっと読める
ストーリーはごくシンプルで、絵は決して上手とは言えません。また、レビューサイトで見かけたのですが、「全体的に、だからなに?」という感想を持つ人も少なくないようです。
とはいえ、料理ものとしての珍しさはあり、どんぶりに縛ったのによく4巻までネタ切れしなかったと思います。作者の市川ヒロシさんのことはよく存じ上げませんが、なんてアイデアマン。なんてジェントルマン。そしてなんとドMマン。
いえね、作者さんの理想のタイプは委員長で、自分の理想像は吉田くんらしいので。自信家で高飛車な女性に「どんぶり作りなさいよ」なんてと言われて、(なんで俺が……)とかブツクサ言いながらも、彼女を想って最高の一品を作ってあげる。そんな恋愛も悪くないじゃないですか。
というわけで、僕が作中で一番好きなどんぶりはこれです。
超シンプルな目玉焼き丼。ご飯周りを囲うキムチは僕のオリジナルですが(笑)。
ネタバレになりますが、これは作中で唯一、委員長が吉田くんに作ってあげたどんぶり。料理下手らしい委員長の一品ですが、愛する人には自信作を食べさせたい。これ以上素敵な気持ちがありますか。
4巻で完結するのでサラッと読めます。
追記:ドラマ化されてた!
全然知らなかったのですが、BSテレ東の深夜枠で実写化されていたんですね。これは嬉しい。ゆる~く鑑賞しましょう。
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