深夜、GWの行き先を決めるためインターネットをそぞろ歩いていると、「函館の一本気関門まで行きなさい」と頭の中で声がしました。一本気関門といえば、新選組副長・土方歳三最期の地碑があるところです。
これは勅命に違いない。
というわけで、GWは函館にて新選組ならびに旧幕府軍の跡地巡りをし、英霊たちの御霊と一体化することに決めました。
■函館幕末巡りの計画
・土方歳三丼を頂く
・土方歳三最期の地碑で黙祷
・松前城と永倉新八の居住地跡を拝見
・開陽丸を拝見
・土方歳三ほたてバーガーを頂く
・五稜郭タワーを観光
・土方・啄木浪漫館を見学
・碧血碑で黙祷
京都から函館までは、東舞鶴港→小樽港→小樽駅(タクシー)→札幌駅→函館(夜行バス)の経路を選択。船での移動は20時間と恐ろしく時間を要しますが、船内は案外快適で、ゲームにお風呂、1日1度の映画上映会など暇つぶしできる環境はあります。大海原を眺めながら入る風呂は格別でした。
小樽港に到着したのは20時45分。札幌まで移動して夜行バスに乗り込み、早朝、函館に着くとすぐ朝市に向かいました。
一日10食限定の『土方歳三丼』
土方歳三丼とは『すずや食堂』さんが販売している海鮮丼のことで、新選組の名に便乗したただの海鮮丼なのですが、函館を訪れた新選組ファンなら食べて帰らないわけにはいきません。一日10食限定というマーケティング戦略にも簡単に踊らされました。
「お兄さん、ウチですませていかない?」
朝食という主語を抜くので風俗街を歩いているような気分になりましたが、そんな誘惑を幾多もくぐり抜け、無事すずや食堂に入店。
早速、注文すると、
「土方、ひとつ~!」
必要以上に大きな声でオーダーを告げる店員さん。周囲の客がこちらに注目したのでやや恥ずかしい気持ちになり、「私は別に新選組マニアじゃありませんよ」という素振りを経済誌を熟読するなどでアピールしました。
私のような新選組ファンが朝からやってきて土方歳三丼を奪い合うように注文するのかと思っていましたが、私以外に頼んだ人はいませんでした。なんだ、意外と人気がないのかな?早朝から気合入れて来なくても良かったかな?なんて考えていると、「お待ちどうさま〜」。
かくして、土方歳三丼の登場です。
うに、ほたて、いくら、ズワイガニ、スルメイカの5種類の海の幸。その上には「誠」の文字を刻んだ卵焼きが存在感を示しています。脇を固めるのは五稜郭の外観をかたどった星形ニンジン。またよく見ると、カニは斜め切りにして2本が交差するように置かれ、刀を連想させます。
なかなか考えて配置してあるじゃないか。先ほどは土方歳三に便乗しただけの商品などと暴言を吐いてしまいましたが、撤回します。非常に美味しくボリュームもあり大満足。お値段もそれなりにしましたけどね。
さあ、贅沢な朝食を済ませ今日の旅程を再確認。まず、あいにくの曇り空&強風のため、一本気関門は明日へ延期し、代わりに二番組長・永倉新八の居住地跡(松前城付近)を拝見することにしました。また、思い切って江差まで足をのばし、幕府最強にして幻の軍艦『開陽丸』を拝みに行きます。
そうと決まれば時間が惜しい。松前行きのバスに乗り込み、永倉先生に思いを馳せます。