2022年12月某日、沖縄好きの先輩とのプチ忘年会として『かふー』というお店を選んだ。二条商店街、千本通側の入口からすぐに居を構えている。
ルーローハン(魯肉飯)は台湾の郷土料理で、端的にいえばそぼろかけご飯のこと。ショウガ、ニンニク、八角などとともに甘辛く煮た豚バラ肉を、煮汁と合わせてご飯にかける。
料理として決して難しい部類ではなく、上記のように私もチャレンジしたことがある。しかし、お店によって全然味が違ったり、ちょっとしたアレンジがあったりと、チャーハンに負けない奥深さがあるのが、ルーローハンの魅力だ。『どんぶり委員長』の吉田くんのような知り合いがいれば、ぜひともリクエストしたい一品である。
このようにルーローハン愛のある私だからこそ、無視できないのが沖縄ルーローハンだった。所用で店の前を通るたびに「沖縄ルーローハンって何やねん」と思っていた。きっと台湾まぜそばのような創作料理なんだろうが、本場では門外不出のレシピさえあるルーローハンのことだ。琉球空手と同様に、沖縄にだけ伝わった何かがあるのかもしれない。
店長さんによる衝撃の告白
というわけで一番に注文した沖縄ルーローハン。ご覧のとおり、見た目で特に変わったところはない。どれ一口……。
ふむ。スタンダードなルーローハンである。おいしいが驚きはないし、沖縄は感じない。これがなぜ沖縄ルーローハンなのか?
非常に気になるので店員さんに聞いてみると、やや困ったような顔をし、「店長に聞いてみます!」と厨房に駆け込んだ。
ソーキソバを食べながら談笑していると、マキタスポーツのような渋い雰囲気をまとった店長さんがやってきた。
「沖縄ルーローハンが何かというご質問なんですが」
「特に深い意味はないんです」
え?
「強いていえば、私が沖縄料理を出しているからで……」
バツが悪そうに説明する店長さん。要するに、沖縄料理を専門とする店長さんが台湾料理も提供しようと考えたとき、キャッチーだから名付けたということらしい。
肩透かし中の肩透かしな返答に引っくり返りそうになったが、同時に沖縄料理と台湾料理の琉球空手的な交流はなかったことを確認できた。いや、実際にはあるのかもしれないが、もう知らん。飲むぞ。
二条商店街には『鉄板焼物 やちむん』という沖縄料理屋もあるのだが、聞けばこのお店はその2号店という位置付けらしい。沖縄創作料理を中心に食べたければ『やむちん』へ、台湾を含む多国籍創作料理も食べたければ『かふー』がいいだろう。また、かふーのメニューは一品が少なめでおつまみ的なので、酒を楽しみたい人はかふーのほうが合っているかもしれない。
というわけで、今年1年お疲れさまでした! 仕事の振り返りはこちらで書いています。
【かふー】
京都府京都市中京区西ノ京南聖町21-19
075-823-6106
[月・水~日]11:00~14:00、17:00~22:00 火は定休日
【鉄板焼物 やちむん】
京都府京都市中京区西ノ京南聖町5
075-821-3603
[金~日]17:30~23:00 月〜木は定休日