むかーし購入した参考書が私的に良かったのでご紹介。
できるだけ実践会話で勉強したい!という私に、当時、韓国語を教えてくださってた在日コリアンの方が勧めてくれた本です。
「普通」の韓国語を身につける本。
普通とはなんぞや?ということですが、ざっくりいえば、参考書に出てくるような「いかにもな例文」ではなく、日常のありふれたフレーズから韓国語を学びましょうということです。
これは私的に大賛成なコンセプト。知り合いの英語教授の方もおっしゃっていましたが、あの悪名高きフレーズ、「This is an apple」なんてどこで使うんだと。自然な語学力を身につけたければ、日常のありふれたシチュエーションのなかで、現地人が使うこなれた表現に触れた方がいいと。
この参考書では、「参考書的な例文では日本語→韓国語をスムーズに変換する力が身につかない」とまで言い切っています。……まあ、その是非はともかく、せっかく先輩が勧めてくれたので購入してみました。
たとえばこんな会話
ソウルで留学中の山田美穂と加藤恵というキャラクターが、現地の韓国人の友達と喫茶店で会ったり、引っ越しを手伝ってもらったり、水原にデートに行ったりします。
たとえば喫茶店では、カムジャタンを(初めて?)目にした恵が、
「에, 그런데 의외로 감자가 적지 않아요?(あ、でも意外とじゃがいもが少なくないですか?)」
とたずね、韓国人が
「이름은 확실히 감자탕인데요, 실제로는 고기가 더 많이 들어 있어요(名前は確かにカムジャタンですけど、実際は、お肉の方が多く入っているんです)」
「데이트 할 때에는 먹지 않는게 좋아요 (デートの時は食べない方がいいですよ)」
と答えるとか。ホントに日常にありそうなシチュエーションですよね。
また、「의외로(意外と)」、「확실히(確かに)」、「들어 있어요(入っている[状態])」、「~지 않는게 좋아요(~ない方がいい)」など、脱初級者を目指す人ならスラスラ言いたい単語やフレーズが詰まっています。
こうした覚えておきたいポイントは、会話文の下に設けてある『point』欄でかなり細かく抑えてあります。
さらに、ハングルには「実際の読み方」がふってあるので、連音化、激音化、流音化など、文字と発音がズレていても理解できるよう工夫してあるのも特徴。もちろんハングルで。カタカナのルビは絶対禁止!というスタンスです。
(例)
일본에 온지 한달정도 지났나요
[일보네 온지 한달정도 지난나요]
音声CDが一人複数役・・・
こうしたやり取りを付属の音声CDで口に馴染むまで覚えるのですが、残念なのがこのCD。登場キャラは男性含め全部で6人いるのに、なぜか音声は一人の韓国人女性が複数役を演じています。
予算がなかったのでしょうか。しかも淡々と読み上げるので、気を抜くとどのキャラが会話しているのか分かりません(笑)。そこさえ我慢すれば、なかなか良質の参考書だと思います。
なお、入門クラスの人にはちょっと難しいと思うので、ある程度の語彙や文法を身につけてから手にするといいでしょう。少なくとも私はこれで脱初級者になれました。
私の書いた本です。ご紹介頂き感謝します。
予算のない中作った割には、中身は良かったのではないかと思っています。
ただ、売れ行きは良くなかったみたいで初版で終わってしまいました。
藤井様
コメントいただき、ありがとうございます!
そうだったんですね。残念です。私は初級の頃かなりお世話になったのですが(>_<)